滋賀県高島市の饗庭山法泉寺住職の吉武学です。
人生のお悩みや終活のご相談をはじめ遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
昨日は仏事三昧の一日でした。
午前中は親戚寺院の七七日法要。
昼食を取る間もなく葬祭ホールに移動して、先日の投稿にあった元役員さんの葬儀。
お骨になられてからお寺でお迎えして、還骨勤行。
家の御内仏に移動して、初七日法要。
夕方頃に法要を終えて、地元自治会の新年度総会。
朝昼晩のフルコースでした。
しばしばやっかみも込みで「少しの時間、お経を読むだけでお金がもらえるんだからいいよね」と言われます。
定刻になってオンステージ中は、確かにお経は60分程度なので短いと感じられるかと思いますが、まず始まる前の舞台設営があります。
客席となる外陣に椅子を並べ、夏なら扇風機を、冬ならストーブと膝掛けを準備します。
ステージにあたる内陣で一本700円〜2000円くらいの蝋燭を何本も付け、みんなが来る前に少し線香を焚いて香りを漂わせ、本番近くになるとさらに線香を焚きます。
さらに参詣者が焼香できるように、香炉の中に炭を入れます。
法衣という名の衣装を身につけますが、下着、肌襦袢、白衣、黒衣(または色衣)、袈裟と少なくとも5枚を重ね着し、襟をバランス良く合わせて、紐や帯で固定します。
今日は葬儀だったので、袈裟が七条袈裟という超重装備になり、これを着るとかなり動きが制限されます。
紅白の小林幸子のイメージです。
この状態でお経を熱唱です。
「マイクとか付けてるからそこそこの声でいいのでは」と言われますが、歌手はマイクがあるからと適当な声で歌いますか?
マイクを使ったとしても、やはり腹に力を入れて、ハリのある声を出さないとよい読経にはなりません。
正直、真冬でも汗が出ます。真夏は汗が止まりません。
汗をかきかき読経を終えると法話です。
「法話のネタ帳って売ってないの?」と言われますが、ない事はないです。
ただ、一般論な話になってしまい、聞かれる方の心には響かないので、アレンジします。
みんなの集中力が保てるように15分程度で終えるようにしていますから、ミニセミナーな感じで、事前の準備と当日の表情を見ながらのアドリブが必要です。
以上、法要が始まる前に30分程度の準備があり、90分程度の法要・法話で1ステージという感じです。
昨日はこれが3ステージでした。
売れっ子歌手でも、せいぜい一日2ステージではないでしょうか。
いや売れない場末の坊主だからこそ3ステージなのかもしれません。
今日も私は夜の蝶ならぬ、お浄土の迦陵頻伽としてお経を唱えます。