滋賀県高島市の饗庭山法泉寺住職の吉武学です。
人生のお悩みや終活のご相談をはじめ遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
昨日のコラムでおひとりさまとおふたりさまの問題について触れました。
特に身体や精神が弱ったり、死亡後の問題についてのことを書きましたが、そこまで行かなくても問題は発生します。
特に問題に直面するのが「身元保証人」と「墓じまい」で、このことの記事がありました。
記事では、身元保証人の定義は、介護施設や医療施設などの利用費を支払えなくなった場合の債務の連帯保証人の役割を担うほか、施設を移る際などに身柄や荷物の引き取りなどの手続きをする身元引受人などの役割を果たす、とあります。
一般的には家族や親族がなることが多いようですが、記事で紹介されている方は未婚、子無しで兄弟とも疎遠になり、身元保証人を頼みにくくなっていました。
こうした方でなくても配偶者と死別したり、子どもがいても遠方にいたりして頼みにくい状況もあると思います。
身元保証人の引受会社もありますが、トラブルも起きていることが国民生活センターからも発表されています。
ただ、トラブルがあるから誰にも頼まなくてよいわけではなく、事前に準備が必要になりますので、信頼できる依頼先を見つける必要があります。
また、身元保証人は死後の手続まではしてくれませんので、昨日も書いた死後事務委任契約の検討も必要になるでしょう。
もう一つの「墓じまい」も問題になっています。
自分自身が墓の管理が出来なくなり、お子さんがいても遠方でなおさら管理が出来ない人も多くなっています。
ウチの寺の墓地でも、年に一回の掃除に来られるのは近隣の方ばかりです。
また、管理が出来ていないことを負担に感じるためにお墓を閉じてしまう、いわゆる墓じまいを検討される方もいます。
墓じまいは、本人やお子さんにとっての都合が優先されて話をされることが多いです。
そのため墓を所有する寺院等と意見の対立が起きて、話がこじれるわけです。
最終的に墓じまいになることは多くの寺院等も仕方がない、と思っています。
ただ寺院等との相談の第一声が墓じまいではなく、管理が出来なくて困っているので、何か良い手立てはないかであって欲しいと思います。
ここが昨日も書いた「困りごとになる前の悩みごとで相談して」ということです。
こうした対策も元気な時にしか出来ません。
いざ問題に直面してしまうと対症療法的なことしかできなくなるので、事前に専門家にご相談いただきたいと思います。