滋賀県高島市の饗庭山法泉寺住職の吉武学です。
人生のお悩みや終活のご相談をはじめ遺言・相続・葬儀・埋葬・終活のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
間もなく2月3日の節分になります。
節分は立春・立夏・立秋・立冬の前日で、特に春になる前日の2月の節分が有名になりました。
立春の前日なので、立春の日付がずれると節分もズレます。
来年2025年は立春が2月3日になり、節分が2月2日になります。
鬼を追い払うということで豆まきをしたりしますが、近年は恵方巻を食べるという習慣が加わりました。
私が子供の頃には恵方巻という習慣もなかったですし、太巻きを食べるということもありませんでした。
せいぜいイワシを食べるくらいでした。
恵方巻については、スーパーなどでの売れ残りの大量廃棄が食品ロスとしてしばしばニュースになっており、新聞記事にもなっていました。
恵方巻は一本800円から1500円程度、予約する習慣も根付いておらず、店頭で値引きされていたら買おうという消費者が多いと書かれています。
恵方巻などという名前はついていますが、確かに自宅でも作られていた太巻きをわざわざ高いお金を出して購入する意識は私にもありません。
特別感が薄いのです。
食品ロスの食材を家畜のえさに再利用する取り組みもありますが、そもそもの食品ロスの量を減らす取り組みが必要です。
ローソンが端材や規格外食材を使った「もったいない恵方巻」を予約販売するそうですが、これも問題の捉え方を間違っている気がします。
販売機会を逃さないように、廃棄が出ても作り続けたクリスマスケーキもいまや予約販売が中心でそもそもの廃棄自体を減らしていこうという取組が中心です。
クリスマスケーキと恵方巻では単価が違うので、なかなかそうはいかない、というのであるならば、単価を上げるか、販売量を限定して売り切れ御免としていくべきではないでしょうか。
SDGsをはじめ、消費者の側にももったいないという意識が醸成されてきている中で、販売機会を逃さないために食品ロスとなっても大量に準備するというのは、売り手側の傲慢な考えではないでしょうか。
近江商人の「三方良し」がしばしば言われますが、現状は売り手だけの都合が優先されています。
売り手にも買い手にも世間にも良い恵方巻とは何なのか、そもそもそんなものは存在するのか考えてみてはどうでしょうか。