滋賀県高島市の饗庭山法泉寺住職の吉武学です。
人生のお悩みや終活のご相談をはじめ遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
お釈迦様のインドの王族としての御名前はゴータマ・シッダールタと言います。
そして今日4月8日はお釈迦様の誕生日です。
HAPPY BIRTHDAY!
一般的には「花まつり」という言い方がよく知られていますし、固い言い方だと「灌仏会」という言い方もあります。
可愛い可愛い妻は、いつもは姉弟と分けて食べるおやつを、花まつりの時には子ども一人に一つずつもらえたので大変良い日だという思い出を持っています。
ウチの子どもたちにも、花まつりに良い思いを持ってもらえるようにケーキを準備したり、ちょっとしたプレゼントをあげたりしています。
花まつりの時はお釈迦様の誕生のお話を紙芝居などでよく聞きます。
お母さんの右脇から産まれたとか、生まれてすぐに七歩歩いて「天上天下唯我独尊」と言ったとか、そんなわけないだろう、というネタでいっぱいです。
ちなみに七歩歩いたのは「地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間界・天上界」の六つの迷いの世界(六道)を抜け出ることを象徴していると言われています。
天人がいる天上界ですら迷いの世界で、天人も死ぬというのはあまり日本で走られていないのではないでしょうか。
天人の種類をネットで検索すると例えば、梵天、帝釈天、吉祥天、弁才天、伎芸天、鬼子母神、大黒天、四天王、竜王、夜叉、聖天、金剛力士、韋駄天などが出てきます。
これを読んでいる皆さんは「自分は今、人間だから人間界なんだな。じゃあ悟りを開けなかったとしても、次も人間か天人あたりがいいなぁ」と思われていると思いますが、既に畜生にも修羅にも地獄にも落ちているし、はたまた天にも昇っています。
畜生は道理が分からず弱肉強食の世界です。
他人を罵り、蹴落とす姿に「畜生!」と言っている姿を見たことがあるし、ご自身がそうしてしまったこともあるでしょう。
地獄は苦しみの終わりがない世界です。
日々の暮らしで苦しいことがあっても終わりが見えていれば何とか我慢できます。
しかし、終わりが見えない苦しみを感じると絶望します。
皆さんも「この苦しみはいつまで続くんだ?」と感じたこともあるのではないでしょうか。
一方で、自分を認め愛してくれる存在と出会い、周りからも全肯定の祝福を受ける結婚式の最中などはまさに天上界に昇る気持ちでいるでしょう。
つまり私たちは人間の姿をしているけれども、地獄にも餓鬼にも畜生にも天人にもなっています。
人間や天人になれたから上だとかマシだというわけでなく、悩みの世界のどこかにいれば結局その中でグルグル回ってしまうのです。
花まつりを子どものための行事と思わずに、私が七歩目を歩く道が伝えられているのだ、と思って、ちょっとお坊さんの話を聞いてみてはいかがでしょう。