滋賀県高島市の饗庭山法泉寺住職の吉武学です。
人生のお悩みや終活のご相談をはじめ遺言・相続・葬儀・埋葬・終活のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
「今年最初の雪の華を~」は中島美嘉の「雪の華」ですが、年が明けて初雪が降った今日、御門徒のお一人がお浄土に還られました。
危篤のタイミングで事前の連絡をいただいていたので、ご逝去の連絡から間もなく枕経に伺いました。
今や危篤の時ぐらいでは遠方に住む親族に連絡せず、当然、枕経にも親族は駆け付けられません。
お通夜に間に合えばいいから、というくらいで声をかけるくらいでしょう。
そう考えると、必ず枕経に駆け付ける僧侶は、ちょっとした親族よりも近しい関係にあるのかもしれません。
可愛い可愛い嫁からは「2.5親等」ぐらいの関係といわれています。
枕経を終えると通夜葬儀などの段取りを親族の方と相談します。
多くの方は初めて葬儀について判断・決断をすることになるので、一連の流れを説明したり、通夜の頃には決めておいてほしいことなどを事前にお伝えします。
最近、必ずお伝えするのがロウソクや線香の取り扱いです。
一昔前までなら寝ずの番をして、線香やロウソクの灯が絶えないように管理されていました。
宗派などによって意味はいろいろと言われていますが、なるほどと感じる理由が三つあります。
一つ目は、医師による死亡判断がされていないほどの昔は蘇生する人がいたというもの。
二つ目は、ドライアイスが普及する以前は死臭がするので、香を絶やさないようにしたというもの。
三つめは、葬儀の準備に時間がかかるので夜通し作業をしながらロウソクの管理をしているというもの。
今は葬祭業者さんが準備をされるのでご遺族の方が夜通し起きている必要がなくなりました。
そのため、みんなが寝たり部屋を離れる時には必ず消してください、とお伝えしています。
お伝えすると、亡くなった人が迷ってしまいませんか、とか、悪いことが起きませんか、と不安そうな顔をして聞かれます。
私の所属する浄土真宗では、即成仏なので仏様になられますよ、とお伝えしています。
ご高齢の御門徒のお家では、毎日の朝や夕のお参りの際も電気のロウソクなどで結構ですよ、と伝えています。
ちょうど旧田中角栄邸で線香の消し忘れで火事になったニュースが出ていました。
最近、火を取り扱うことが少なくなってきたので、慣れが少なくなった中でリスクも高くなってきた気がします。
どうぞ、皆さんご安全に。