滋賀県高島市の饗庭山法泉寺住職の吉武学です。
人生のお悩みや終活のご相談をはじめ遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
昨日のコラムの続きです。
昨日紹介したCMに続き、2009年に作られたのが、「勝つのは誰だ。勝利とは、何だ」です。
(セリフ書き起こし)
ゼッケン⑨(酪農家)
「生まれ育ったこの場所に、俺の守るべきものがある。」
ゼッケン①(株式トレーダー)
「僕にだって、それを置き去りにしてきた覚悟がある。」
ゼッケン⑤(営業マン)
「愛すべき家族を守れれば、俺はそれでいい。」
ゼッケン④(公務員)
「そう、ささやかな日々に誇りはあるんだ。」
ゼッケン②(政治家)
「大きな成功を、この手で奪い取ってこそ人生だよ。」
ゼッケン⑧(コンビニ店員)
「ここは俺の居場所じゃない。俺は、まだ俺の道を探している。」
ゼッケン⑦(ホスト)
「それを逃げ道にするなよ。いつだって今の自分が全てだよ。」
ゼッケン⑥(タクシー運転手)
「人生は今だけじゃない。まだ、ずっと続くんだ。」
ゼッケン③(トラック運転手)
「みんな、つべこべうるさいよ。黙って静かに働けよ。」
(打鐘が鳴る)
「時代に負けるのか」
「負けたくないなら」
「時代を作るんだよ」
「ただ一歩ずつ行けば」
「きっとそのうち」
「あっという間に」
「くたばっちまうよ」
「先のことなんて判らないだろ」
「だから追いかけるんだろ」
「見つめているものは何だ」
「掴むものは何だ」
「遠い誰かの背中だよ」
「思い出とか」
「明日とか」
「汗とか」
(「カツノハ、ダレダ」のコピー)
「逃げるなよ」
「どけよ」
「止まるな」
「俺はまだ」
「どけよ」
「うつむくな」
「僕はまだ」
「この人生を」
「どけよ」
「走るんだ」
(「ショウリトハ、ナンダ」のコピー)
こちらも出演者全員が当時の現役競輪選手で、ほとんどがS級選手なので実際のレースのような雰囲気があります。
昨日のコラムで紹介した一年前の作品でのそれぞれのキャラクターは、他人と比べる中で自分を肯定しようとしていました。
でも、今回のキャラクターは自分自身を消化して、肯定しようとします。
打鐘が鳴ってからのセリフも、昨日のキャラクターは相手を利用しようとしたり、邪魔だ、というセリフでした。
今回はまず自分の心の中の葛藤が語られ、そして最後は自分に檄を入れている内容になっています。
このCMの制作者はタイトルにある「勝利とは何だ」という受け止めが、他者との競争から、自分の中での納得に変化していったのではないでしょうか。
あなたは今、どうすれば「人生に勝利した」と言えますか?