滋賀県高島市の饗庭山法泉寺住職の吉武学です。
人生のお悩みや終活のご相談をはじめ遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
最近の小学校の体育では、新型コロナの影響で2年間はプール授業自体が無く、ようやく復活しても数回程度でした。
我が子達に水泳の大会に出れるほどでなくても、水を怖がらずに泳げる程度の泳力を持って欲しいと思いスイミングスクールに通わせています。
スクールの先生の指導がいいのか、技能の向上はともかく毎週楽しそうに習いに行っています。
学校でのプールの授業は今年も週に一度ずつ数回あった程度です。
子どもが通う小学校では水に親しむことは出来ていても泳ぐことは出来ないのでは、と感じます。
私が小学生の時には4年生以上は地域の水泳大会のための練習で、夏休み最初の10日間ぐらいは午前中に練習がありました。
水泳の技能はここで身についた気がします。
大会の練習などが無くても、夏休みは毎日プールに通いました。
13時から15時まで小学校のプールが開放され、先生と保護者が当番制で見守りをされていました。
特徴的だったのはかまぼこの板ではないでしょうか。
自分の名前と住所とか電話番号を書いた板を持って行って、終わったら持って帰ります。
かまぼこの板が残っていたら誰か事故に遭っている可能性があるということです。
今は学校のプール開放自体が無くなりました。
学校からは、地域の民営のプールが低料金で開放されるとのメールが流れてきたきりです。
プール開放が亡くなった理由の詳細は分かりませんが、想像すると以下の三点では無いかと思います。
一つ目は、プールの監視をする保護者の確保が難しくなったことです。
全保護者を対象に登板が組まれ、夏休み期間中に一日出ればいいぐらいなのですが、共働きの増加などで割り当てても出てくれない保護者が増えてきたのだろうと思います。
監視の目が少ないと危険は一気に増すので、確保できた日だけ開放するというわけにもいかないでしょうし、結果的に全ての日の開放を取りやめにしたのでしょう。
二つ目は、全国で水に関する事故がよく報道されるようになり、運営側の責任が厳しく問われる様になったことです。
夏休み期間中に子ども達が川遊びをしていて亡くなっても、学校が会見を求められ、川遊びなど水遊びに関する指導をしていたのか、と言われる時代です。
ましてや学校や教委が主催しているプール開放となれば、事故までいかなくても何かあれば厳しく言われることは目に見えています。
学校にとってのリスクを避けるのであれば、そもそも開放しないというのは魅力的な選択肢に見えます。
三つ目は、異常な高温によってプールも熱くなっていることです。
水泳も運動なので、プールの中でも大量の汗をかきますが、水中にいるため汗が蒸発して気温を下げる気化熱の効果を得ることが出来ません。
また、水中にいて口の中などが濡れることが多いことから、実際は脱水症状となっていても気づきにくくなっています。
また、プールサイドに飲料を置いておくことが出来ません。
そのプールサイドも屋根が無いところがほとんどで、焼けたコンクリートによりさらに熱を感じることになります。
体育のプールで時々、高温のために実施しなかったといわれるのはこういう事情によるのだろうと思います。
一つ目のお互い様の状況が亡くなってきたこと、二つ目の他人への批判が強くなってきたこと、三つ目の気象状況が変わってきたことにより、子ども達が水泳に親しむ機会は確実に減っています。
これからもう少し時代が過ぎると、一定以上の水泳技能を持つのは田舎で海や川で水遊びをしてきた子どもか、スイミングスクールに通わせることの出来る家の子どもだけになってしまうのではないでしょうか。