愛子様が勤務初日から連日勤務された

滋賀県高島市の饗庭山法泉寺住職の吉武学です。
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敬宮愛子様がこの4月からお勤めになられた日本赤十字社に5日連続で勤務されたとニュースになっていました。
社会人であれば毎日出社するのが当然だろう、という意見もあるでしょうが、宮中での祭祀もあり、そちらへの出仕もある中で勤務を優先されたわけです。
私もお寺との兼務の中で仕事をしているので、仕事との兼ね合いで悩ましいときもありますし、田舎では農業を兼業している方も多くて、4月後半からの田植えに向けて時間が欲しい人もいます。

また、3日は20時まで「残業」されたと話題になっていました。
これも社会人であれば当然である、1日から残業している人もいる、という意見もあるでしょう。
しかし、本来は定時でさばいていける業務量で組まれているのが基本で、残業が前提になっているならばおかしな状態なのです。

残業は絶対にすべきではない、と言っているわけではありません。
トラブルなどの突発的な事態もありますし、繁忙期などの季節的な要素でやむを得ない残業はあります。
新入社員など業務が未熟なのでベテランに比べて同じ時間でも業務の進捗が遅いということはあるでしょうが、そこは給与の差として反映されているので、業務量は調整されてしかるべきだと思います。

ただ日本の企業の多くはメンバーシップ型雇用で年功序列型の給与体系でありながら、個人の能力など関係なく残業しないと終わらないほどの業務量が出されています。
業績を見る上司は残業して成果を出せ、と言います。
そして人事は、成果を出せという言葉は言うまでもないとしながら、残業をするな、と言います。

それでいながら、会社として一人ひとりの業務効率を上げていく改善は少なく、単純に手数をかけて成果を出そうとします。
手数は人の手を増やすか、一人が長い時間をかけるしか増えません。
人を増やせば人件費が大きく増大するので、結果として残業が前提となります。
成果とワークライフバランスがちぐはぐになっていると感じます。

愛子様の働き方の事例を皇族だからという特殊事例で見るのか、本来こうあるべきだ、と見るのかで変わってくるものがあると思います。