滋賀県高島市の饗庭山法泉寺住職の吉武学です。
人生のお悩みや終活のご相談をはじめ遺言・相続・葬儀・埋葬・終活のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
「じちろう全国共済集会」に行ってきました。
全国の労働組合や職員組合に呼ばれてセミナー講師をしている方々の話などを聞けて非常に刺激になりました。
基調講演では、生活研究所長野の塚畑哲さんがガンと保険について話されました。
冒頭に、保険加入の対象者となるお客様の世帯状況が変わっているという話をされ、頭では理解していたつもりでしたが、FPとしてお話しする際の商品との関連を 具体的に落とし込めていなかったことを痛感しました。
高度経済成長期頃から昭和末期までの家族構成は、夫婦と子ども二人からなる世帯が最も高い割合で、国の統計などでは標準世帯と呼ばれていました。
この標準世帯をカバーできる施策や商品を作れば、多数派をカバーすることができるわけです。
2020年の国勢調査結果では、単独世帯は38.1%、夫婦のみの世帯は20.1%、夫婦と子どもからなる世帯は25.1%、一人親と子どもからなる世帯は9.0%、その他の世帯は7.7%となっています。
かつて標準世帯と呼ばれた夫婦と子どもの世帯に対しての施策では全体の4分の1しか対応できていません。
そして、最大多数は単独世帯となっており、現代で標準世帯と言えばむしろ単独世帯を指すような時代となっています。
結婚している世帯が45%しかいないので、保険商品を取り扱うセミナーで「家族」という言葉を使っても反応されませんし、むしろ自分とは関係ないと反発を受けます。
また、共働き世帯が全体の6割で、専業主婦(夫)が少数派となっており、その言葉を使うことが実態が分かっていないと反発を受けます。
以上二点からは、自分が亡くなっても家族の生活や将来が困らないように、という死亡保障への訴求がお客様に響かない実態があるわけです。
そして一人親と子どもの世帯の率は年々増加しています。
確かにウチの子どもが通う保育園や学校でも年度の途中で名字が変わる子どもがいます。
過去の標準世帯とは異なる世帯、単独世帯、夫婦だけ世帯、一人親世帯は死亡のリスクよりも何のリスクを気にしているかというと就業不能リスクだそうです。
夫婦だけ世帯の共働き世帯を別として、それ以外は自分が働けなくなったら生活していかなければならないにもかかわらず収入が途絶えるからです。
傷病手当金などの制度があっても収入は減りますし、手術や入院にかかる医療費の負担が長期間になった時の医療費の問題もあります。
ここで塚原さんは収入保障の保険の話をするのでなく、ガンが発生する仕組みや、国立がん研究センターが発表している治療方法に基づく医療費の話をされました。
あらためて高額療養費などの制度を使った場合を確認されました。
そして、一番最後に保険について解説されました。
詳しくは会場で聞かれた人限定の情報だと思いますのでは触れませんが、保険の話は一番最後に少しだけされただけなのに非常に説得力がありました。
行政書士もFPもお客様の不安や悩みや困りごとを解決することが仕事です。
その不安をしっかりと言語化して、お客様に認識してもらう点についてあらためて学びました。
お客様の「何となく心配」を「●●が心配」に変えていくところから、まずは自分のバージョンアップをしていきたいと思います。