滋賀県高島市の饗庭山法泉寺住職の吉武学です。
人生のお悩みや終活のご相談をはじめ遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
就職が決まった2002年頃、近隣の農協の方が何度も自宅に保険の勧誘に来られました。
もともと知っていた方ということもあり、最終的に保険に入ることにしましたが、専門的な知識は皆無でした。
ただその頃のテレビで盛んに「入院日額1万円」ということを言われていたので、細かなオプションは要らないから、分かりやすくその内容をつけてくれ、とだけ言いました。
毎月8千円くらい払っていた記憶があるので、安月給の20代地方公務員にはなかなか負担が大きかったことを覚えています。
5年ほど経って、見直しの時期です、と農協の担当者の方が来られました。
その時に全く同じ内容で同じ掛金には出来ない、少しでも補償内容を上げないとダメである。
補償内容が上がり、年齢も上がるので掛け金が上がるが、これまでの保険の積立部分を充てることで毎月の掛金はほぼ同じに出来る。と言われ、深く考えずに更新しました。
その後、CFPの中島智美さんと保障相談会で出会い、保険証書を全て持っていって内容を教えていただきました。
自分でもFP資格を取ろうと勉強を始め、ある程度保険証書が読めるようになり、保険の種類や仕組みも少し分かるようになりました。
その時に自分が入っている生命保険はアカウント型保険であることが分かりました。
FPとして、まずは自分が入っている保険の内容は理解しないと、と考え、農協の担当者さんを呼んで色々と質問してみました。
ただ、保険料のうちいくらが毎月の補償にあたっていて、いくらが積み立てられているかについては説明してもらえませんでした。
また、期間終了後に積立額がいくらになる見込みなのかの説明もしてもらえませんでした。
アカウント型保険が悪いという認識はありませんでしたが、自分が分からないところで運用されていることの気持ち悪さがあり解約しました。
結果、共済の掛け捨てと積立貯金を組み合わせて、少なくとも内容は自分で完全に把握できるようにしました。
アカウント型保険については、新聞でも問題点が指摘されています。
一番の問題点は、記事の見出しにも使われている「業界も認める分かりにくさ」だと思います。
それでなくても保険は加入者が内容を把握できているということが少ないと感じます。
「入っているけど中身はよく分からない」「お守りみたいなものだから」と言われるのをよく聞きました。
アカウント型保険は仕組み上、何の問題もないけれども、加入者が思っている内容と実際の補償内容にあまりに差がありすぎることが多いと感じます。
色々な保険がありますが、加入者がリスクと補償内容と掛金のバランスを把握して入れているケースが多いのが自動車保険だと思います。
リスクとして、対人、対物でどれくらいの被害額が出るのか。
補償内容として、どれくらいの補償額にするのか。有限なのか、無制限なのか。
その補償内容にした時の掛け金額はいくらなのか、他の保険会社ならいくらになるのか。
といったことを、理解して自分の支払い能力を見ながら加入されます。
一方で、前述のとおり生命保険の内容を把握できている加入者は少ないと感じます。
また死亡保険と医療保険をごっちゃにして考えている方も多いと感じます。
毎月の支払額はそれほどでなくても超長期に払い続けるものですから、最終的な支払額は大きくなります。
高額の買い物になるのですがから、少なくとも自分が加入する保険の補償内容を理解した上で納得して加入したいものです。