滋賀県高島市の饗庭山法泉寺住職の吉武学です。
人生のお悩みや終活のご相談をはじめ遺言・相続・葬儀・埋葬・終活のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
昨日は、私も所属する行政相談委員の第1ブロック(大津市・高島市)の自主研修会でした。
今回は、高島市に委員がお越しになりました。
まずは、国の「日本遺産」と「重要文化的景観」に選定されている「高島市針江・霜降の水辺景観」の見学に行きました。
ここは水路をはじめとする昔からの町並みが残り、特に水路から各家庭に水を引き入れて利用する「川端(かばた)」が数多く残っており、自然と生活が共存している様子が見られます。
見学については、地元の「針江生水の郷委員会」に依頼して見学料をお支払いすると、ガイドが付いて家庭のかばたも含めて見学ができます。
・針江生水の郷委員会ホームページ
「川端(かばた)」は水路や井戸水を家の中に引き込み、洗い物や飲み水などに利用する水場のことです。
若干の高低差をつけて水が流れるようして、湧き水を取水する元池、水をくみ上げる壺池、あふれ出た水を溜めておく端池の3つに順々に流れるようになっています。
本池から流れて、壺池は飲み水や洗顔などであまり汚れが出ないことに利用され、端池は野菜などを洗う場所として利用され、最後まで残った野菜やご飯の残りなどはコイが餌として食べています。
使った水は水路に戻るため、下流の人が再度使う水であることを意識しながら、自分の所で利用されていきます。
2004年にNHKで写真家の今森光彦さんの撮影による番組が放送されてから急に有名になり、地域の人が地域の良さに気づいて、文化を守ると共に外に向けての発信も行われてきました。
アメリカやイタリアで開かれた世界湖沼会議での発表も行われています。
針江の次は私のお寺に皆さん来られ、少し法話を聞いていただきました。
講題として「鏡を見て私の本当の心に気づく」と掲げ、善導大師の「経教はこれを喩うるに鏡のごとし」のお言葉からお話をさせていただきました。
法話の中で施設に母を入れて、最後は亡くなるまで放っておかれた方のお話をして、仏教の「慚愧」について触れた点が特に印象に残ったようです。
地元高島市を外の方に紹介する機会であると共に、私自身の活動も紹介することができた一日でした。