子どもをシャットアウトすれば大人は歯車にされる

滋賀県高島市饗庭山法泉寺住職の吉武学です。
人生のお悩み終活のご相談をはじめ遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。

政府の「こども未来戦略会議」の有識者メンバーの一人が生後2か月の赤ちゃんを連れて参加したことが話題になっていました。

会議の案内が来てから、子どもの世話をどうするかを検討されたそうです。
まず生後2か月では保育園は預けられませんでした。
子育てしながらの人はオンライン参加、というのも違うと感じられたそうです。
ご主人が会社を休んで見ることもできましたが、奥さんの1時間の会議のために会社を休むことに違和感を感じられました。
そもそも保育園に預けに行き、迎えに行く時間も必要なので、1時間の会議のために保育園を使うというのは現実的ではないです。

もともと、こちらの委員の会社では企業内保育園があり、職場に子どもを連れて行くことが普通の環境だったそうです。
子ども達がオフィス内を散歩していたり、会議や取締役会でさえも子連れの参加があるとのことです。

こうした記事が出ると、大事な会議の最中に子どもが泣いたらどうするんだ、とか、出席しても子どもが気になって集中できないはず、とか、赤ちゃんだから動けないが、未就学児の子どもなら会議中にウロウロしたりするから連れてくるな、とか、ネガティブな意見がいっぱい出てきます。

泣いた時やオムツを替える必要がある時は別部屋に行くなどの想定をして準備しておけばいいのです。
子どものことに限らず、働く人は全ての時間を集中して臨むことは出来ないのですから、1時間の会議中だけ集中する術はむしろ身についてしまうのです。
未就学児の子ども達に事前に状況を伝えて、塗り絵などのスペースを確保すれば、割と静かに過ごしてくれます。
現に今回のケースでも官邸の事務局の人と打ち合わせをして準備をしてもらったそうです。

それを余計な手間という人もいるでしょうが、多様な人に委員になってもらうために必要なものだと考えてはどうでしょうか。

私のセミナーで、赤ちゃんや子ども連れの方が参加しそうな時は可愛い可愛い嫁が保育サポートに入ってくれています。
遊ぶ子ども達から多少の声は出ますが、うるさいほどではなく、参加者へはBGMだと思ってくださいね、というと、終了後のアンケートでも特に不評は出ていません。

市役所職員の時に、大型台風の通過後の土日に電話相談窓口として自分の課が対応することになりました。
といっても課長含めて3人だけの課。
課長は土日とも出ると言ってくれて、もう一人の課員と一日ずつ分け合いました。ただこの時は第三子の首が据わった頃で、家庭事情から私が土日とも子ども達を見る必要がありました。
やむを得ずおんぶ紐で第三子を背負い、兄姉は空いている机で色塗りなどをしてもらって、一日電話対応しました。
周りの方には金曜日のうちにお願いして、色々とロッカーの中に入れてもらったりして環境作りをしてもらいました。

もちろん、子どもがそれと知らずに会社の機密などに触れてしまうことや、高価・重要な機器などを壊さないような準備や、工場の歯車など危険なところに立ち入らせないことは必要です。

ただ、会社や職場という所から子どもをシャットアウトするのは違うのでは無いかと思います。
子どもをシャットアウトすれば、大人を仕事の歯車として業務に専念させることが出来ます。
歯車には最低限度のケアがされるだけで、擦り潰れるまで使い込まれます。
子ども達は大人が職場という所で何をしているのか分からず、家に帰ってきた大人から「疲れた」「仕事行きたくない」という言葉を聞いて、仕事への夢を失います。

前述の委員の職場では、子ども達がやってくれば自分の余裕の範囲内で構うでしょうし、子どもを構う職場はギリギリの環境とはならないでしょう。
構ってもらう子ども達は、大人や職場を好ましく思い、こういう所で働きたい、と思うのではないでしょうか。

予測不能な行動をする子ども達がいることを不効率であったり、邪魔だと感じたりせず不確実性を楽しめる人生の方が充実していると感じられれば、子育てと仕事についてもさらに一石が投じられるのではないでしょうか。