知識を入れるのでなく交流を増やして関係を作る

滋賀県高島市饗庭山法泉寺住職の吉武学です。
人生のお悩み終活のご相談をはじめ遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。

旧知の方から、行政書士のお仕事として、社会福祉法人の設立を一緒にしてほしい、とお話をいただきました。
これまでから地域の福祉に取り組まれていた方で、高齢者の事業も子どもの事業も多岐にわたって手がけられています。
また、事業のための施設整備なども行われていたので、実際のところ、お話を聞いた時にまだ社会福祉法人ではなかったんだな、と驚いたほどでした。

障害者施設など社会福祉施設の建設が計画されると、建設地域の地域住民からの反対を受けることがしばしばあります。
「施設コンフリクト」と呼ばれています。

・Yahoo!ニュース 「差別はよくないけれど、障害者施設建設には反対」-「施設コンフリクト」をどう乗り越えるか。 2021/10/27

その多くは漠然とした不安であり、「何か起きたらどうするのか」という声がよく上がりますが、「何か」が何なのか、なぜ起きると思うのか説明できる方は少ないと思われます。
京都で施設コンフリクトが起きた時の自治会長の言葉が「施設の重要性は理解している。(住民と)トラブルがあってからでは困る。対処方法をきちんと説明してほしい」というものでした。
トラブルとして何が起きるかの指摘は無く、トラブルが起きた時に自治会長である自分に火の粉が降りかからないように予防線をはっている気がします。

施設に入る障害者や生活保護受給者に対する理解が広がっていないのでは、という意見もありますが、実際は反対する人も知識としては理解していて、感情の面で拒否感を示されるそうです。
日本人の中では、事実や知識よりも、空気とか雰囲気といったものが意思決定に大きく影響していることがうかがえます。

上記の記事では、専門家は対処方法としては、知識を増やすことで無く感情的な理解を増やす機会を作ることを掲げています。
日常の中で入所者と住民が接する機会を増やし、人としてのよい関係性を築き、それが結果的に障がいや施設に対する理解に繋がっていくことを目指すのだそうです。
確かに記事中でも、日本人は障害者や施設と「関わったことがない」と回答している割合が他の国よりも高くなっています。

冒頭の福祉事業をされている方も、施設を作ったとしても高齢者や子どもを隔離して事業をすることはされません。
イベント一つでもできるだけ地域の方と交流することを心がけられます。

そういえば少し前の日本では外国人を見かけることが今よりも少なかったので「外人」「ガイジン」という呼び方で差別的な視線が多かった気がします。
今は働いている外国人も、インバウンドの旅行者も多くなって、交流する機会が増えたからか、差別的な視線や発言は減った気がします。

自分自身においても、今後で会う新しい出来事や文化や人に対して、単に知識を入れて分かった気になるのでなく、実際に交流してみたり、環境に身を置いて、体験として得たものを元に考えていければ、と思います。