確率論だけでなく人間臭い面が出る

滋賀県高島市饗庭山法泉寺住職の吉武学です。
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二刀流と言えば多くの人が創造するのが大谷翔平さんですが、先日、将棋と麻雀のプロとしての二刀流の挑戦が発表されました。
将棋棋士の鈴木大介九段です。

麻雀のタイトル戦の一つに「最強戦」があります。
アマチュアも全国の予選を勝ち抜いていけば本戦に出場できますし、プロも●●枠という形で様々な予選が行われます。
2019年に鈴木九段は著名人枠で出場し、本戦、決勝と勝ち上がり優勝しました。
また今年からはインターネットテレビのABEMAで中継される麻雀「Mリーグ」の選手として参戦します。

将棋は純粋に実力のぶつかり合いですが、最近ではAIによって一打一打が数値化される様になりました。
麻雀は運の要素も入りますが、根本は確率論です。
雀荘に行って最初は初心者だった大学生があっという間に強くなるので学部を聞いてみると、理学部や医学部などの理系学生であることが多くありました。

ただ将棋でも麻雀でも、数値で見える要素の分析だけでは決着がつきません。
盤や卓を挟んで相手と向き合っていると気迫をぶつけ合ったり、気配を殺して静かにしているなど、人が向き合っていることを実感する場面があります。

麻雀で確率論から言えば相手に向かっていく必要は無いのに強気に押して押して押しまくった結果として、相手が引いてくれて、勝利をたぐり寄せたりします。
将棋でも藤井名人が打つ想定外の一打に対局相手が真意を測りかねて貴重な持ち時間を大量に投じたりします。
裏で見ている人はAIによる数値で、藤井名人の一打は相手を惑わすだけのものであることがすぐに分かりますが、実際に盤を挟んでいる相手からすれば「あの藤井名人」の一打ということで悩んでしまうのでしょう。

鈴木九段も将棋の世界で長年活躍されて、向き合った人同士の気持ちの押し引きに長けている気がします。

鈴木九段は先日まで将棋連盟の理事を務めておられて、佐藤天彦九段のマスク失格の時には理事職として現場に駆けつけておられたと思います。
新聞によれば、理事の6年間の間は理事業務に専念するため、将棋の研究を一切されなかったと書かれていました。
与えられた職務への真面目さが棋士仲間から理事に選ばれる要素なのだろうと思います。

一方で、理事を辞めてからの対局で価値を感じた時に気持ちが入りすぎて心臓が震えた、とも書かれていました。
色々な棋士の本で、棋士は一局一局の対局はあっさりと受けとめており、そういう心持ちでないと長い期間戦えない、とありました。
将棋の対局自体は続けていても、本格的な研究をして対局に臨むようになるのが久々だったために心理面でも変化があったのだろうと思います。

ちなみに私は麻雀を打っているとしばしばApple Watchが高い心拍数が連続していることを心配してくれます。
何としても上がりたい高い手をはっている時に、すました顔をしているのですが、心臓はドキドキいっていてApple Watchにバレてしまいます。

鈴木九段が参戦するMリーグに以前、ネット麻雀の実力者が参戦して、決して悪い成績ではないのですが、周りが期待するほどの成績を残せず去って行ったことがありました。
どの牌を打つかの確率論計算などはネット麻雀をやりこんでいる人の方が長けている気がします。
しかし前述のように、確率論だけで測れない要素があるのが麻雀で、このネット麻雀の方も実際に卓に座っていると悩んでしまって、正解と言えない一打を打ってしまっていました。

鈴木九段には、ぜひ強い心で麻雀も将棋のどちらも、大谷翔平さんのように見ている人を魅了する一打を打っていただきたいと思います。