焼香は一回か三回か

滋賀県高島市の饗庭山法泉寺住職の吉武学です。
人生のお悩みや終活のご相談をはじめ遺言・相続・葬儀・埋葬・終活のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。

相続を学んだ笑顔相続道の勉強会で、葬儀会社の株式会社ヨシノの吉野匠さんから葬儀の際のマナーを学びました。
実際の葬儀となれば、宗教、宗派、地域性など色々な要素があるので、これだけ守っておけば大丈夫、というところは難しいものですが、共通するところを上手くかいつまんでいただきお話しいただきました。

仏式の葬儀に参加する際の焼香ですが、各宗派によって香をつまむ回数や押し頂くかどうかも変わります。
吉野さんからは香をつまむ回数が一回の宗派のやり方を覚えておいて、それでするのが覚えやすくていいですよ、とアドバイスがありました。

マナー本などを見ると、よく前の人のやり方を見て真似ておけば大丈夫、という内容を見かけますが、そのために順番が近くなるとキョロキョロしている人をよく見かけます。
あれは何ともみっともない感じがするなぁ、と感じていたので、うちの寺では焼香の作法を、可愛い可愛い嫁がイラスト付きで焼香台の前に置いてあります。
法要が始まる前にも、私からやり方を説明しますが、合わせて伝えるのは「自分のお寺のご住職から習ったやり方があったら、それでしていただいても結構ですよ」ということです。
正直なところ一回でも三回でも堂々とお焼香いただくのが格好いい振る舞いだなと思います。

吉野さんからは、参列する際の服装についても正装、準正装、略礼装についてもお話しいただきました。
これも喪主の方でも略礼服を正装と思っている方が多いように見受けられます。
私にお尋ねいただいた際は、正装となればモーニングではないですか?と言うのですが、だいたい聞いてもらえません。

これも浄土真宗なら、どのような服装かを問わず、お東なら肩衣、お西なら式章を着けることで正装とみなしていく文化があります。
もともとは経済的に豊かではなかった真宗門徒が、喪章のような所から考えたのだと思いますが、うまい発想だな、と思います。
そうした姿を見て「門徒もの知らず」と多宗派からバカにされることもあったそうですが、世の流行に惑わされずに自宗派の方針として貫いた服装をするのは格好いいのではないかと思います。

ただ実際の葬儀の現場では、僧侶は祭壇側を向いているので、参列者がどのように焼香をしているのか、どんな服装をしているのか、じっくり見る時はありません。
見る時間もないのですから、僧侶側からマナー違反などとクレームをつけることはないと思うので、あれはやはり世にはびこるマナー講師が言っているのでは、と感じます。
マナー講師やマナー本の言うことよりも、自宗派のご住職に聞いて、どこに行ってもそのやり方を通すのが格好いいのではないでしょうか。